Pup's 子株
開花後、多くの種は株元やロゼットの中より子株を吹きます。種により子株の数は まちまちですが、1ヶ〜5,6ヶが多いようです。子株を吹く事はこのプランツの主たる 繁殖方法であり、確実に子孫を残していける手段といえます。親株からの養分を得て 1〜2年くらいで親株と同じくらいに成長していきます。ですから、子株は小さな時に 株分けされてしまうと、成長スピードは急激に落ちてしまいます。
T.xerographica ( Mexico )
このキセログラフィカは開花後、子株を吹くまでに1年以上の歳月を要しました。 どうもこの種は子株を吹くまでにかなりの日数が必要なようです。 この画像の状態ではまだ株元は膨らんできておらず、キセロらしさを主張するまでには 至っていません。現在、1年半を経過したところです。私の推測ですと 親株と同じ大きさになるのにはあと4〜5年はかかりそうです。
T.ionantha ( Guatemala ) このイオナンタは私の手持ちの中でも最大級の大きさで元気のある株です。 開花後1週間もしないうちに子株が吹いてきました。それもなんと6ヶも! その後も親株の栄養を十二分に吸い取ってか一つも脱落することなく、すくすくと 育っています。1年くらいで立派なクランプになりそうです。
T.seleriana ( Mexico ) このセレリアーナはここまでに2年ほどかかっています。 (この種は基本的に子株は1ヶのようです。)
T.ionantha var. stricta forma fastigiata ( Mexico ) このファスティギアータはクランプにはならず、ど真ん中から 1ヶだけ子株を吹き、親株を真っ二つにしてしまいました。
T.stricta ' hard leaf ' ( Brazil〜 ) T.vicentina ( Mexico )
子株は通常、株元やロゼットの中から出現するのですが、それ以外の 変わりものもいます。長くのばした開花後の花序や花茎の途中から子株を 吹いたりします。俗にいうvivipara formと呼ばれているものです。
T.latifolia ( Peru ) T.flexuosa 'vivipara' ( Venezuela )
( 写真提供 Tillandsia Club さん ) (その他にはT.somnians 、T.secunda 、T.lymanii、T.intermedia 等です。) 開花とは関係なく子吹きする種もいくつかあります。簡単にクランプになります。
T.bergeri Giant form ( Argentina ) T.heteromorpha ( Peru ) T.aeranthos ' miniata' ( Brazil〜 )
(この他にT.funkiana 、T. 'Inca Gold ' 、T.ionantha mexico等があります。) 株元よりランナーのようなストロンを伸ばして、その先端に子株を 付ける種があります。株分けでありながら、なるべく遠くに子孫 を増やしたい表れでしょうか。子株元からかなり発根します。
T.disticha ( Colombia 〜) V.espinosae ( Peru )
多くの種は開花後1〜2年で親株は枯れていきます。ところがいくつかの カウレッセント(有茎)なタイプは株元でなく成長点にほど近くより子株を吹きます。 そうして、開花を重ねながら全長を延ばしていきます。 ですから株元は場合によって10年を超えているものもあります。
T.edithiae ( Bolivia ) (この他にはT.araujei 、T.duratii 等。) 数は少ないのですが、Monocarpic(モノカルピック)と呼ばれる子株を 吹かない種があります。成長過程において子株を吹く事はあるのですが まず大きくなる事は稀なようです。基本的には実生でしか増えません。 (自家受精等結実し易いかは我が家では未開花の為、未確認です。)
T.makoyana ( Mexico ) T.utriculata ( Mexico〜 )
(その他にはT.eizii、T.prodigiosa、T.pamelae、T.langlasseana 等があります。) 最終的には開花→子吹きを繰り返し、子株を多く吹く種は立派なclump(クランプ:塊) になっていく事が多いようです。栽培下でクランプをつくるのは時間も掛りかなり難しい 事なのですが、それが我が家的栽培の目標の一つでもあります。
T.stricta ( Argentina )
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