実生(みしょう)  seedling

       開花後しばらくすると結実 し、種(たね)ができる場合があります。

       このSeed Capsule のなかに無数の種が綿毛と共に詰まっています。

       この種から発芽して育った株を実生(みしょう)株と呼んでいます。

 

T.balbisiana ( Mexico〜 )

このT.balbisianaは自家受精する種の代表です。我が家では開花後、毎回結実します。

それと、ディアフォランテマ亜属の中には表面的には花序だけで開花していないのに

結実する種もいくつか見られます。T.tricholepis 、T.loliacea 等を我が家では確認

しています。逆にT.ionanthaは自家受精しない代表です。

 

T.tenuifolia var.disticha ( Brazil )       T.lepidosepala ( Mexico )

 Seed Capsuleの爆裂です。タンポポのような綿毛に小さな種を託し、どこへともなく

 風に漂い新天地に散っていくのです。この綿毛は大変重要な役目を持っています。

 風に乗って飛んでいく事の他に、辿り着いた地に発芽して発根するまでの間、貼り

 着いて株を安定させるという事に寄与しているようです。下のT.bulbosaは発芽後1年

 くらいです。しっかりと親株の葉先に綿毛でしがみ着いています。

 

 T.bulbosa ( Mexico 〜)

 

T.reichenbachii ( Bolivia )

   このT.reichenbachii も親株の株元に綿毛でしっかりと貼り着いています。

   意外にがっちりしており、ちょっとやそっとでは外れません。(発芽後2年くらい)

   実生株は子吹き株のように親株から栄養をもらう事が出来ませんので

   その成長スピードはとても遅く、国内栽培では開花までなんと10年以上

   歳月を要すると言われています。また、その栽培には湿度、通風などが

   特に重要になり手間暇がかかります。そんな訳で我が家では敢えて実生

   にはチャレンジしていません。自然に種ができ発芽したものだけを成り行きに

   まかせて育てています。(生命力のある株だけが生き残るのです。) 

 

T.juncea ( Mexico )

  最近、入手した実生株付きジュンセアです。カプセルがはじけた後、種が風に

  飛ばされず、そのまま花序の周りで発芽したものです。(発芽後2〜3年でしょうか?)

  結実して、種(たね)を残して種(しゅ)の保存を図ろうとした株は、その過程で多くの

  力を使ってしまいます。それゆえに子株を吹かずに枯れてしまったり、子株を吹く

  までに随分と時間がかかる場合があります。ですから、実生しないと決めている

  ならば開花後、花茎を根元から切ってしまっても構わないと思います。

  また、Monocarpic(モノカルピック)は子株を吹きませんので、この実生でしかその

  種(しゅ)の保存方法がありません。自家受精し易いかどうかは我が家では開花例

  が少なく確認が取れていません。