開花 Blooming Tillandsia's

      ティランジアは栽培環境が整えば1年〜数年に一度の周期で開花します。

      開花が近づくとある兆候があらわれます。銀葉種は成長点を中心に赤く染まり始め、

      また緑葉種や水の好きな銀葉種は成長点の周辺の色素が抜け白っぽくなります。

      そして徐々に花序の成長が始まるのです。

T.ionantha var.stricta ( Mexico ) 

T.capitata 'Rubra' ( Mexico )         T.bulbosa ( Belize〜)

            

      花序は大きく分けると分岐するものとしないものがあります。

      また、通常のものは太陽に向かって上に成長しますが、途中から下垂するタイプの

      ものもいくつかあります。主には緑葉種です。( T.prodigiosa 、T.pamelae 、T.violacea 等 )

T.fasciculata ( Mexico )       T.rotundata ( Mexico )          T.eizii ( Guatemala )

      花は花序の下から上へ咲きあがっていきます。一つの花は1〜3日くらいの寿命で

      枯れたら次、またその次という咲き方です。早いものは1週間位ですべての花が

      咲き終わりますが、長いものだと数ヶ月にわたって順番に咲きつづけます。

T.guatemalensis ( Guatemala )          T.didisticha ( Bolivia )

(この2種も数ヶ月咲き続けました。)

 

      花弁は通常3枚から構成されていて、その多くは筒状をしています。

      それ以外は、3枚が平たく広がる3弁花と呼ばれる形状のものが多くなります。

      中には花弁の縁が波打ってまるでフリルが付いたような形状のものや花弁が

      途中からグラデーションしているもの、果ては花弁数が4枚以上になる突然変異

      的な要素をもったものまで存在しています。( T.stramineaの4弁花とか・・。)

(筒状型タイプ)

T.ionantha Guatemala form ( Guatemala )

(3弁花タイプ)                (6弁花タイプ)

T.paleacea ( peru )             T.cyanea 'Anita Triflor '

                                          ( 写真提供 Tillandsia Clubさん )

            

花弁の色:紫

       紫花はティランジア全体の7割くらいを占めるのではないでしょうか。 

       もっともポピュラーな花色です。

T.ionantha 'Rubra ' ( Mexico )

(3〜5ヶの花弁が直接出てきます。)

T.cyanea ( Peru )            T.aeranthos ( Brazil )         

(花径は5〜7cmにもなります。)   (一斉に開花する様は見応えがあります。)  

                                                  

花弁の色:白

     ティランジアに限りませんが、白花は清楚な感じが印象的で個人的には大好きな花色です。

T.araujei ( Brazil〜 ) 

(フリルの付いたこの種は珍しいです。)

T.arequitae ( Uruguay〜 )            T.ionantha 'alba'

      (銀葉種にしては花径2cmと大きいです。) ( Alba種は10数種程あるようです。)

      (他にはT.didisticha、T.scaligera、T.tenuifolia var.surinamensis、T.xiphioides等があります。)

 

花弁の色:緑

       他の植物でもあまり見られない葉色と同色の花弁は、渋さを醸し出してくれます。

T.usneoides ( Mexico〜 )

T.atroviridipetala 'Tonala' ( Mexico )        T.plumosa ( Mexico )

(他にはT.mauryana、T.lepidosepala、T.ignesiae等があります。)

 

花弁の色:赤(朱)

        鮮やかな赤花は存在感があります。種類が少ない事もあり貴重な種です。

T.andreana ( Colombia )            T.edithiae ( Bolivia )

      (花序は無く、直接花弁が出てくるタイプ。) (一斉開花するので鮮やかで豪華です。)

      ( 他にはT.funckiana、T.dorotheae、T.argentia、T.albertiana、T.paraensis等があります。)

 

花弁の色:黄

      おそらく、もっとも少ない花色かもしれません。花弁が透けている種もあり貴重です。

T.crocata ( Brazil〜 )            T.myosura ( Brazil〜 )

      (黄花の代表がこの種とT.ixioidesでしょう。) (透明感のある黄色です。花径3o位です。)

      (他にはT.ixioides、T.disticha、T.lampropoda、T.schiedeana、Tandicola等があります。)

 

花弁の色:ピンク

      この花色も少なく、珍しい種になります。CITES-Uのブラジル3種がこの花色になります。

T.sucrei ( Brazil )

(TOPクラスの美しさです。惚れ惚れします。)

Tconcolor ( Mexico )            T.sprengeliana ( Brazil )

(かなり濃いピンクです。)       (鮮やかな花序に見え隠れします。)

(他には、T.kautskyi、T.argentina、T.complanata、T.biflora等があります。)

 

花弁の色:その他

          数少ない花弁色のティランジア達です。また花弁形状も個性的です。

黄褐色 :T.caliginosa ( Bolivia )    白-紫:T.purpurea ( Peru )

(この渋さは通好み?)             (グラデーション系)

赤茶色:T.humilis ( Ecuador )

(小さいながらも下垂した花序です。)

白-黄緑:T.lotteae ( Bolivia )       ワインレッド:T.flexuosa ( bahama )    

(グラデーション&レタス状ちじれ系)    (この色はこの種だけかもしれません。)    

オレンジ:Hybrid               クリーム色: T. x rectifolia

( T.albertiana x T.ixioides )         ( T.ionantha x T.schiedeana )

 

       600種を超えるティランジアの中に約30種ほど芳香を放つと言われている

       種があります。微かな香りが多く、我が家ではまだ数種しか確認できていません。

T.mallemontii ( Brazil )

  

T.scaligera ( Ecuador )            T.duratii ( Bolivia〜 )

      (開花時間は、正味3時間ほどでしょうか。)

(他にはT.crocata、T.humilis、T.bandensis、T.usneoides等があります。) 

 

      このTillandsia達にも生まれ育った自生地では適正な開花時期があるようです。

      ただ、日本では自生地と気候も違いますし栽培環境も様々ですので決まった時期に

      咲くわけでもないようです。この件に関しては興味は尽きないのですが、文献も少なく

      適正な開花時期もよくわかっていません。

      (参考までに我が家的に複数回開花して、概ね同時期だったものは次のようなものでした。

      T.ionanthaは4〜5月頃、12〜1月頃、T.strictaは12〜1月頃、T.balbisianaは9月頃〜、

      T.recurvifoliaは1月頃、T.sucreiは4〜5月頃、T.streptophyllaは7月頃。)

      この他にも我が家で咲いたことのない種はまだまだ沢山あります。空色花弁のT.umbellata、

      花弁が長大なT.viridiflora、筒状グラデーション花のT.punctulata、多花序のT.complanata等です。

      まだまだ未知の花が多くあり、Tillandsiaの開花は興味が尽きません。